確定給付企業年金の財政運営に係る特例的扱い等について
令和2年12月9日年企発第1209第2号 厚生労働省年金局企業年金・個人年金課長から地方厚生(支)局長あて通知
確定給付企業年金法施行規則の一部を改正する省令(令和2年厚生労働省令第197号、以下「改正省令」という。)が、令和2年12月9日から施行されたことに伴い、確定給付企業年金の財政運営に係る特例的扱い等について下記のとおりとすることとしたので、貴管下の確定給付企業年金を実施する事業主等の指導について、遺憾のないよう配慮されたい。
また、規約変更に係る書類を受理する際には、「確定給付企業年金の財政運営に係る特例的扱いの適用状況を示した書類」(以下「別紙様式」という。)が添付されていることを確認するよう十分に留意されたい。別紙様式が添付されている場合には、その都度当課に報告されたい。
なお、以下、「確定給付企業年金法(平成13年法律第50号)」を「法」、「確定給付企業年金法施行規則(平成14年厚生労働省令第22号)」を「施行規則」という。
記
第1 施行規則附則第14条について
法第58条又は法第62条の規定に基づき掛金の額を再計算した結果、令和3年4月1日から令和4年3月31日までの間に掛金を引上げることとなる確定給付企業年金について、今般、改正省令により施行規則附則第14条を改正し、実施事業所の経営の状況が悪化したことにより事業主が掛金を拠出することに支障があると見込まれる場合には、令和3年4月1日から令和4年3月31日までの間に掛金の引上げを行うこととなっていた日(以下「適用日」という。)から起算して一年を経過する日までの間、掛金引上げの全部又は一部を実施しないことができること。
その際には、当該措置は財政の健全化を先延ばしにするものであることを労使双方で十分に理解した上で、施行規則附則第14条第1項を適用した旨を規約に定める(規約変更に係る書類のうち数理書類においても備考欄等に適用した旨を記載する)こととし、規約変更に係る書類に加えて、別紙様式に基づく書類を提出すること。なお、当該規約変更はリスク対応掛金を変更する場合を除き、施行規則第7条第1項第5号(基金型企業年金においては、施行規則第15条第3号)に該当し、軽微な変更に該当するものとす
ること。
財政再計算において計算した掛金の額に施行規則附則第14条第1項を適用する場合、適用期間(適用日から起算して最大一年間)終了後の標準掛金額は、新たに財政再計算において計算する標準掛金額または直近の財政再計算において計算した標準掛金額のいずれかの額とすること。
第2 施行規則附則第15条について
確定給付企業年金においては、法第63条の規定に基づき掛金の追加拠出を行う場合、翌事業年度又は翌々事業年度に追加して拠出することが施行規則上定められている。法第63条の規定に基づき、掛金を追加拠出することとなる事業年度の初日が令和3年4月1日から令和4年3月31日までの間にある確定給付企業年金について、今般、改正省令により施行規則附則第15条を改正し、実施事業所の経営の状況が悪化したことにより事業主が掛金を拠出することに支障があると見込まれる場合には、掛金の追加拠出の全部又は一部を実施しないことができること。
その際には、当該措置は財政の健全化を先延ばしにするものであることを労使双方で十分に理解した上で、施行規則附則第15条第1項を適用した旨を規約に定める(規約変更に係る書類のうち数理書類においても備考欄等に適用した旨を記載する)こととし、規約変更に係る書類に加えて、別紙様式に基づく書類を提出すること。なお、当該規約変更は施行規則第7条第1項第5号(基金型企業年金においては、施行規則第15条第3号)に該当し、軽微な変更に該当するものとすること。
第3 施行規則附則第16条について
確定給付企業年金において特別掛金額を算定する場合は、過去勤務債務の額の全部を償却するものとして算定することが施行規則上定められているが、今般、改正省令により施行規則附則第16条を改正し、令和2年3月31日から令和4年3月31日までの間の日を計算基準日として法第62条の規定に基づき特別掛金額を算定する場合には、過去勤務債務の額から施行規則第56条各号のいずれかの額の全部又は一部を控除することができること。
なお、当該措置は財政の健全化を先延ばしにするものであることを労使双方で十分に理解した上で、施行規則附則第16条第1項を適用した旨を規約に定める(規約変更に係る書類のうち数理書類においても備考欄等に適用した旨を記載する)こととし、規約変更に係る書類に加えて、別紙様式に基づく書類を提出すること。なお、当該規約変更は施行規則第7条第1項第5号(基金型企業年金においては、施行規則第15条第3号)に該当し、軽微な変更に該当するものとすること。
第4 「確定給付企業年金の財政計算等に係る特例的扱いについて」の特例的扱いについて
一 施行規則附則第14条第1項を適用する場合において、「確定給付企業年金の財政計算等に係る特例的扱いについて(平成20年9月11日年発第0911001号)」(以下「資産分割通知」という。)の第3に基づき、給付区分毎に特別掛金を算定している場合には、給付区分毎に掛金引上げの全部又は一部を実施しないことができること。
二 施行規則附則第16条第1項を適用する場合において、資産分割通知第3に基づき、給付区分毎に特別掛金を算定している場合には、施行規則第56条各号のいずれかの額を各給付区分毎に過去勤務債務の額の算定方法に応じて合理的に配分した額の全部又は一部を、各給付区分毎に過去勤務債務の額から控除することができること。なお、各給付区分毎に、控除後の過去勤務債務の額が財政再計算前の特別掛金収入現価を下回ってはならないこと。
別紙様式
本通知には「確定給付企業年金の財政運営に係る特例的扱いの適用状況を示した書類」の別紙様式(規約型企業年金用・基金型企業年金用)が付されている(法令通達集p687〜690)。記入用の空欄の表であるため、当サイトでは本文のみを収録している。様式の構成は次のとおり。
1 適用する特例措置(規則附則第14条/第15条/第16条のいずれかにチェック)
2 実施事業所の経営状況等((1) 経営状況が悪化している実施事業所、(2) 収入及び支出の状況等、(3) 掛金引上げが困難な理由)
3 規則附則第14条を適用する場合の記載事項
4 規則附則第15条を適用する場合の記載事項
5 規則附則第16条を適用する場合の記載事項
6 労使合意の状況