DB通達・通知

確定給付企業年金法施行規則の一部を改正する省令の施行等について

年企発第0303001号

確定給付企業年金法施行規則の一部を改正する省令の施行等について

平成21年3月3日年企発第0303001号 厚生労働省年金局企業年金国民年金基金課長から地方厚生(支)局長あて通知

確定給付企業年金法施行規則の一部を改正する省令(平成21年厚生労働省令第24号)が平成21年3月3日に公布・施行されたことに伴い、同日付けで「「確定給付企業年金制度について」の一部改正について(年発第0303001号)」、「「確定給付企業年金の規約の承認及び認可の基準等について」の一部改正について(年企発第0303002号)」、「「厚生年金基金の設立要件について」の一部改正について(年企発第0303003号)」を発出したところである。

今般の省令等の改正の内容については、下記のとおりであるので、貴管下の確定給付企業年金の事業主等及び厚生年金基金の指導について、遺憾のないよう配慮されたい。

第1 改正の趣旨

 今般の改正は、確定給付企業年金及び厚生年金基金の給付設計について、従来認めていたが、法令・通知上の根拠が不明確であったものについて明確化を図ると共に、従来認めていなかった給付設計について、法令の趣旨から逸脱しない範囲で認めるもの。平成24年3月末に廃止となる適格退職年金から確定給付企業年金への移行等による制度の新設や規約の変更の申請の増加に対し、明確化により審査の効率化を図ると共に、多様な給付設計を認めることで円滑な移行を促すものである。

第2 改正の内容

1 給付の額の丈比べ

 従来、給付の額に上限・下限を設けることについては認められておらず、従前額保証等の場合にのみ別々の算定方法(確定給付企業年金法施行令(平成13年政令第424号。以下「令」という。)第24条第1項各号に定める方法をいう。)で算定した2つの給付の額を比較し、そのうちの高い額又は低い額とすること(丈比べ)について可能としていたが、今般、これら以外についても認めることとした。丈比べを用いることにより、現行の算定方法により算定した給付の額に上限又は下限を設けることが可能であり、また、ポイントを用いている場合には、ポイント累計に上限又は下限を設け

ることも可能となった。(確定給付企業年金法施行規則(平成14年厚生労働省令第22号。以下「規則」という。)第25条、確定給付企業年金制度について(平成14年3月29日年発第0329008号)。以下「法令解釈通知」という。)第3の1③、確定給付企業年金の規約の承認及び認可の基準等について(平成14年3月29日年企発第0329003号・年運発第0329002号)(別紙1)確定給付企業年金の規約の承認及び認可の基準(以下「承認認可基準」という。)3―2①(オ)及び(カ)並びに厚生年金基金の設立要件について(平成元年3月29日企年発第23号・年数発第4号。以下「設立要件通知」という。)第2の4(5)①オ及びカ関係)

2 給付の額の算定における組み合わせの範囲の明確化

 算定方法の組み合わせは、具体的には足し算、引き算、定数を乗ずる又は定数で除する方法を従来認めており、加入者期間、資格喪失事由、労働協約等に規定されている職種等ごとに異なる給付の算定方法を用いることについては、従来、労働協約等が異なる場合に区別することを条件に認めていたが、今般の改正により、加入者期間等により区別することも組み合わせの範囲内として新たに認めることとした。(法令解釈通知第3の1⑦、承認認可基準3―2①及び設立要件通知第2の4(5)⑤関係)

3 給付の額の算定基礎の拡大

 給付の額の算定の基礎として、資格喪失事由、資格喪失時の年齢、加入者期間又は学歴を認め、給付の額を算定する際の加入者期間として、実際の加入者期間より短い期間(給付額算定用加入者期間)を用いることを認める。これらは従来可能としていたものを今般明確化するものである。(規則第27条、法令解釈通知第3の1②、③及び⑥、承認認可基準3―2①、設立要件通知第2の4(5)①ア~イ、②カ~ケ及び⑥関係)

4 キャッシュバランスプランの弾力化

 キャッシュバランスプラン(令第24条第1項第3号に定める算定方法をいう。)については、従来、加入者期間の全期間について同一の指標で再評価することとしていたが、今般の改正において、加入者期間ごとに異なる再評価率を用いること、付与額等について加入者期間のうち一部の期間についてのみ付与することを認めることとした。(法令解釈通知第3の1⑤及び⑥、承認認可基準3―2(4)①及び④並びに設立要件通知第2の4(5)③、⑥及び⑦関係)

5 給付の額の改定方法等の明確化

 規則第28条第2項第2号ロの方法による給付額の改定において、給付額の算定方法とは関係なく最低保証額を指標により変動させる給付設計については平成15年5月30日付けの事務連絡により認めてきたものであるが、今般、明確化のため改めて通知に規定することとし、併せて、給付の額を算定するための給付利率についても、具体例を例示し、明確化することとした。(法令解釈通知第3の1⑩、承認認可基準3―2(4)①及び③並びに設立要件通知第2の4(6)⑥関係)

6 給付の額の改定方法の弾力化

 給付の額の改定方法については、①改定前とは別の方法で算定した額に改定するこ

と、②一定年齢到達時に改定すること、③年金の支給開始後の加入者期間の全部又は一部を加入者期間に通算して改定すること(例えば、年金の支給開始後に再加入した者について、再加入後の加入者期間を通算して年金額を改定すること。)はいずれも従来、認めていなかったが、今般の改正において、いずれも認めることとした。(規則第28条、承認認可基準3―2(4)③並びに設立要件通知第2の4(6)③ア、イ及びオ関係)

7 繰下利率の弾力化

 老齢給付金及び脱退一時金の繰下利率については、従来、具体的な規定はなかったが、今般の改正で、資格喪失事由、資格喪失時の年齢、労働協約等に定める職種等、繰下期間中の年齢等により差を設けることを認めると共に、繰下利率自体についても、通知に具体例を例示することにより明確化することとした。(法令解釈通知第3の1⑪、承認認可基準3―2(5)⑧、設立要件通知第2の4(8)関係)

8 基準給与等の弾力化

 給付の額の算定の基礎となる給与(基準給与)については、事業所の勤続年数等によらずに制度の加入者期間に基づいて規定された基準給与を用いることを従来、認めていなかったが、今般の改正においてそれを可能とし、併せてポイントの格差を15倍以内とする規定を廃止することとした。(法令解釈通知第3の1④、承認認可基準3―2(4)②及び設立要件通知第2の4(3)②関係)

9 休職期間等の取扱いの明確化

 従来から休職期間中の従業員については、加入者としないことや掛金を拠出しないことを認めてきたが、今般、改めて通知において規定することとし、また、併せて、休職等(労働協約等に規定される介護休業又は育児休業を含む)期間中の者について、当該休職等期間の全部又は一部が退職金の算定対象期間に含まれていない等の合理的な理由がある場合に限り、その期間について加入者としないことや掛金を拠出しないことを可能となるように明確化することとした。(法令解釈通知第1の1(1)②及び④並びに第4の2、承認認可基準3―1(2)及び(3)並びに3―3(1)並びに設立要件通知第2の4(1)⑤及び第3の3関係)

10 その他

 給付設計等に用いる予定利率及び予定死亡率について、従来から解釈で可能としていた内容について、通知に明確化し、また、承認認可基準にのみ規定されていたグループ区分を改めて法令解釈通知に規定することとした。(法令解釈通知第1の1(3)並びに第3の1⑧及び⑨、承認認可基準3―2(4)①及び⑤並びに設立要件通知第2の4(5)②関係)